【BI Japan主催 若手ライター養成講座が修了】書くことの意義とこれからのライターについて

ライティング
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Business Insider Japan主催の若手ライター養成講座が修了しました。(通称、 #BIライターズラボ

企画と取材についてスキルアップできたのはもちろん、
こんなにライターという職業に情熱を傾けている人がいるんだ、という驚きと感動でした。

また、ニュースメディアに対しての印象が180度変わりました
いまは、「Business Insider Japanでたくさん記事を書きたい…!」と思っています。

以下、とても長くなりましたが、講座をもってくださった編集長の浜田さん、副編集長の滝川さん、伊藤さん、川村さん、そしてたくさん相談にのってくださった記者の西山さん、運営に携わっていたインターンのみなさんに感謝を込めて書きました。

  • 書くことの意義とは?
  • これからのライターはなにを考えるべきか?

についても触れているので、ライターさんにも届けばうれしいな、と思います!

(今回、学んだノウハウについては別の記事でまとめます!)

WEBライターのわたしを初心者に戻してくれた4回の講座

正直、ノリで応募しました。
主催のBusiness Insider Japan(以下、BI)で記者をしている西山さんとの出会いは1年前。BIの掲載記事のために電話取材を受けたのがきっかけでした。

いつかお会いしたいな~、と思っていたので、「BIがライター向けの講座をする!ってことは西山さんにも会えるぞ!」くらいの気持ちでした。

集まったのは15名ほど。
思ったより反響があったらしく、応募の時点である程度、選考されたようです。スキルというよりも書きたいものがあるかどうかで選ばれたようで、経験はみんなバラバラでした。

(結局、最後まで課題を完了したのは8人でした。無料の講座はモチベーションが続かないという問題がどうしてもあるので、逆に8人の残ってすごい!編集部のみなさんも驚いていました)

全4回の講義とワーク(&課題)を通して、以下のことを学びました。
求められるライターとは?
企画をたてる考え方は?
取材はどうやってする?
そして、最終回は「記事を書く」……。

当初、詳しいプログラムは明かされていなくて、「企画と取材が学べます!」くらいのアナウンスだったので、
「ちょっと新しいこと勉強できたらいいかな」くらいの気持ちだったのですが、もう、そのときの自分の頭をひっぱたきたいです。
全部が新しかったです。

月間4,000万PVも記録したことがあるニュースメディアのノウハウ。正直、これ無料でほんとに学んじゃっていいの…?というくらい新鮮で有益で、頭がフル回転するような感覚にしてもらえました。

先日、フリーランスの働き方という切り口で、灯台もと暮らしのライター・オサナイミキさんにインタビューしていただきました。

そのときに、これからのライター論について、オサナイさんとちょっと話をさせてもらって(わたしが取材受ける側なのに、なんかいっぱいもらったような気分になる贅沢な時間でした…)

オサナイさんが「いつまでたっても、初心者に戻れる人が強いですよね」って言っていたのが、印象的で。

完全に、BIの講座を通して、わたしは初心者に戻してもらえました
まだまだだなあ、と、痛感したし、もっと素晴らしいものを世に送り出したい、という気持ちを一層深めることができました。

たくさん悩んだけど納得いくものが書けなかった最終課題

第4回目、最終回は「記事を書く」なんですけど、課題として3週間の期限で実際にひとりひとり企画を立てて、取材をして、記事を書いてきて、それに対して副編集長ふたりと、記者の西山さんからフィードバックをもらえるという、大変ありがたく、そしてびびるような時間でした。

わたしもはじめて、経済ニュースメディア向けの記事、を書くことになり、めっちゃくちゃ頭を悩ませました。
企画をだすのにまず1週間くらいかかり、構成を組むのにさらに1週間かかり、取材・執筆で1週間…正直、ずっと頭の20%くらい占領されてて気分がよくなかったです(笑)
ああ、あの記事どうしよう…もっといいアプローチないのかな…ってずっと悩んでいました。

それでよく西山さんには深夜にメッセ送って、企画や構成についてアドバイスをもらっていました。夜行性ゆえにいつも夜にご対応をお願いしてしまって申し訳なかったのですが、いつも真摯にお返事くださったので、より(いい意味で)プレッシャーが増しました!

実際になんとか記事は書き上げたものの、自分でも改善点がいくつもあって。最後の仕上げをするために、締め切り前にスーパー銭湯に駆け込み、終わってから寝て、起きてサウナをキメてすっきりした頭で読み返して、自分で全添削しました………。

そんなこともあって、案の定、当日の添削時間では、びしばし赤入れされました。
それでも、「もっと練ったら、ちゃんとBI上に記事として世にだせる」「よく取材できている」と言っていただけて、緊張でひりひりした胸がすこしだけ落ち着きました……。

伝えられたのは「書く」という行為との向き合い方

「記事を書く」と言っても、よくあるライターセミナーでの、「見出しって?」とか「SEO対策」とか「抑えるべき文章の型」とかそんな話はありませんでした。

最終講義を担当してくださったのは、副編集長の川村力さん。

川村さんは講談社の週刊誌の記者さんだった経歴をお持ちの方で。
週刊誌の記者がどんな経験を積んで文章を書いているか、から話してくださいました。講義というよりも終始、川村さんの経験から語れるライター論がメインでした。

書く前にとにかく考え抜くこと。自分の考えに直接的に言及しなくとも、旗幟鮮明であれ

伝えたい3行をまず決める。それがない文章は、書かなくてもいい

「この職業が50年後、あるかどうかなんて分からない。それでもこんなに書くことを志す人が集まってくれたことが、嬉しい

まさに、わたしが書いた記事でするりと抜けていたのが、考え抜くことだったので、グサッとささりました。

ニュースメディアというものに対しての印象の変化

また、わたしにとって胸が踊るような救いの言葉となったのが、記事のフィードバック時に滝川副編集長がおっしゃっていた「取材相手が多くを語らない場合は、そのときの表情や空気で表現するのも技法のひとつ」というもの。

わたしは4年前、駆け出しのWEBライターだった頃、自分のWEBライターの向いてなさにひどく落ち込んでいました。
わたしは自分の書く文章が大好きです。めっちゃくちゃ大好きで、自分の言葉のなめらかさにいつもうっとりしているナルシストです。

そのくらい文章に自信があるから、選ぶことになったライターという職業。

でも、時にWEBライターにとって、そういった表現の幅は不要でした。
編集者さんに、自分がこだわり抜いた一文を掲載時に削除されて、ショックで泣いたときもありました。

もともと江國香織や乙一、豊島ミホに語感を育てられ、作家をこころざして文章に触れ、自分が生きるために言葉を(なかば吐き出すように)書いてきたわたしにとって、個性を削られることは苦痛でした。

「WEBライター、向いてないなあ……」とずっと思っていました。

わたしは、Business Insider Japan、そしてニュースメディアは”そういう場”だと思っていました。

ニュースという事実を報道するためのものであって、自分の考えとか、自分だから読み取れたその場の空気を形容した言葉とか、そういうのは求められないんだろうなって。

でも、180度違っていました。

第2回の「企画」で、浜田編集長は「あなたらしい視点を大事に」と何度もおっしゃっていて、
第3回の「取材」で、伊藤副編集長が「取材は自分の考えを検証する作業」と表現していて、
第4回の「書く」で川村副編集長が「PVなんてどうでもいい。あなたが書きたいと思わないものは、書かなくていい」と断言してくださって……。

誰もかれもが、根源にライターの考え(視点)をもちなさい、と説いてくださって……。

まさか、ニュースメディアの編集者の方々に、こんな言葉をかけられるなんて思っていませんでした。

22歳のときに、はじめて自分の書いたものでお金をもらって、それから、4年目でやっと「ライター」という職業の中に居場所を見つけることができました。

「書くこと」の意義について

講座終了後、川村副編集長と働き方やこれからの人生についてお話をさせてもらいました。

川村さんが「自分には書くこと以外なにもない」「もっとプログラミングとか、ほかのことができたらよかった」「書くことの可能性ってなんだろう」と、いまだ答えのない問いを口にしていました。
会話、というより、自問自答するように。

川村さんは東日本大震災で多くのご友人を亡くされてから、自分にできることを模索しているようです。
(といっても、地元に帰り仕事をし、わたしからすれば十分に行動で貢献できているように感じました…)

川村さんの言葉を聞きながら、わたし、正直、あのときトイレに駆け込んで泣いてしまいたいような気持ちでした。

ライターというものに疑問を感じたことが過去二度、ありました。
一度目は、「自分の表現がいらない」と思って辛かったとき、二度目は、知人に誹謗中傷の言葉を投げられたときです。

わたしは数年前に友人を亡くしています。
ちょっと変った家庭環境から、人に自分の気持ちを伝えることがうまくないわたしにとって、文章で気持ちを吐き出して沈めるというのは、呼吸をするのと同等の行為でした。こどもの頃からずっとそうでした。
あのときも、同じような気持ちで、書きました。大袈裟だと、これも誰かに批判されるかもしれませんが、あの頃のわたしは精神的にぼろぼろで、無茶苦茶な家庭で育ったおかげで無駄に強靭なメンタルにもかかわらず、ダメになってしまいそうでした。それでも、いま、気持ちが安定しているのは、「書く」という行為が自分にはあったからです。

わたしの友達がいい奴なので紹介させてください。

そのときの文章を、同じ痛みを抱える友人たちは、慰めにしてくれました。あたたかい言葉をたくさんもらいました。
自分の熟れた傷口を人にさらして、同じだ、と言ってもらえるなんてはじめてでした。自分の言葉が友人の支えに微力ながらなったことが素直に嬉しかったのです。

けれど、思いがけないことだったのですが、その行為に対して、もう5年ほど連絡をとっていなかった(もちろん、亡くなった方と共通の友人でもない)知人から誹謗中傷の言葉が突然送られてきました。

それから、ずっと、わたしは書くことが怖くてたまりません。

誰かの救いになる一方で、疎まれるかもと思うと、こころが竦みます。

でも、わたしにとっては書くという行為は至極自然なもので、これがないとやっていけないのに、どうしたら………。

そんな気持ちが、シンクの隅にいつの間にかこびりついた水垢みたいにずっとありました。いつも目の端にうつって気になって、綺麗にしてもまたすぐに気付かぬうちにそこにあるような、そんな気持ち悪さがずっとありました。

川村さんが「書くことの可能性」について思いをめぐらせている姿を、勝手ながら自分と重ねて、長い間の堂々巡りに決着がついたわけではないのだけれど、「書くこと」にこんなに真正面から向きあっている人がいるなんて、という発見が、わたしにとって大きな意味あることだったと思います。

 

「これからのライター」とわたしがやるべきこと

川村さんが、これからのライター業界について危惧していました。

昨今、有名なオウンドメディアが次々と閉鎖されていて、フリーランス人口の増加などで盛り上がるなか、一端のWEBライターのわたしから見ても、ライターという職業に未来があるのか分かりません。

けれど、この講座を通して、わたしはライターという職業にやっと可能性をはっきりと見出すことができました。

ライターが、しっかりとお金を稼げるようになってほしい」と川村さんが言った言葉に答えたいというわけではありませんが、その想いに貢献できるライターになりたいなという夢が見えました。

最低限稼ぐ方法、副収入として確立する方法は、ネット上に揃ってきていると思います。
けれど、「書きたいものを書く」ライターになる方法は、あまりに足りていません。多くのライターの先輩が「後輩が育っていない」と口にしています。

まだ、たくさん赤入れをされるような新米ライターのわたしですが、「書きたいものを書いて、社会をちょっと明るくして、さらにしっかりお金も稼ぐ」ライターとしてのロールモデルになりたい、という想いがむくむくと育ちました。

この講座に携わってくださったみなさん、そして一緒に受講していた未来が楽しみでならないライターのみなさんに改めてお礼が言いたいです。
本当に、たまたまだけど、受講できてよかった…!

若手ライター養成講座って?

月間4,000万PVも記録したことがある経済ニュースメディア「Business Insider Japan」編集部主催の、若手ライター向けのセミナーです。

第1期となる2019年7月~8月開催では、全4回にわたって「企画と取材」について学びました。

トライアルもかねて選考制&無料でしたが、形態を変えて、また開催されるかも…?(ぜひ開催してほしいし、そのときは運営として携わりたい~~~!)

開催の様子については、ぜひ、以下のツイート&記事をチェックしてみてくださいね。

【初心者ライター必読】BIJAPAN編集長・浜田さんに学ぶ「刺さる企画」の立て方

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